当院では,医療部門と介護部門の2つの部門から構成された部署です.昨今,目まぐるしく変化する医療情勢に対応し、リハビリテーションの語源である「人間らしく生きる権利の回復(生活の質:QOL)」を大事にし、患者様に安心が持てる環境作りを日々努力しています。
また,医療スタッフ(医師,看護師,薬剤師,放射線技師,臨床検査技師,管理栄養士,医療ソーシャルワーカー,理学療法士など)全員でチーム医療を行っております。また,週1回,整形外科とカンファレンスを実施し他職種との連携を密に行っています。
地域包括ケアシステムも導入し,在宅でのより良い生活ができるようにケアマネジャーや訪問看護ステーションとも連携しています。
入院リハビリだけでなく,外来リハビリも行っているため,手術を受けられた患者様をスポーツ復帰までフォローすることが可能です。また,外来リハビリでは手術後の患者さんだけでなく,オーバーユースによるスポーツ障害や,中高年の腰痛や肩関節痛,膝関節痛に対するリハビリも行っております。
リハビリテーションを初めて受ける場合には,必ず『関節センター外来』,『整形外科外来』のいずれかを受診して頂く必要がございます。
整形外科の診療後に,医師の診断により必要に応じてリハビリテーションの受診をご案内します。
混雑状況によってはお待たせする場合もございます。
リハビリテーションを受ける時は運動療法を行いますので,着替え用のTシャツやハーフパンツなど動きやすい服装をご準備の上、ご来院いただきますようお願いします。(更衣室はございます。)
運動着等の貸し出しは行っておりません。
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | |
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9:00~11:30 | 予約制 | |||||
16:00~17:00 | 予約制 | × |
※日曜日,祝日は休診日になります。
急性外傷の場合,炎症を抑制することを最優先に行います。急性炎症が強く出現している時期はアイシングを中心に行い,炎症症状が確認されなくなった時点より関節可動域練習と股関節周囲筋のトレーニングを開始します。
また可及的早期よりバランストレーニングを実施していき,膝関節の不安定性の改善を図っていきます。膝関節の安定性の向上させることで日常生活やレクレーション程度のスポーツであれば問題なくこなすことができます。
術前リハビリテーションでは,保存療法と大きくは変わりません。基本的には手術までに炎症を抑制することと関節可動域の改善(当院では0°~135°の獲得を目標に行う)を中心に実施していきます。
術後のリハビリテーションは,半月板処置に留意しますが,ACL単独の損傷の場合は2週間程度の入院で退院となります。術後翌日よりリハビリ介入となり,3日目より歩行練習や簡単な股関節周囲筋のトレーニングを開始していきます。歩行時は必ず硬性膝装具を使用し,可及的早期よりバランストレーニングを開始していきます。
また再損傷予防と反対側損傷予防を目的とした股関節周囲筋トレーニングは,術後可及的早期より行っていきます。主治医よりスポーツ動作が許可されてから動作練習を開始していきます。ジョギング動作から開始となり,徐々にスポーツ特性に合わせた動作練習を実施し,スポーツ復帰に向けたアスレティックリハビリテーションを行っていきます。
保存療法では,損傷による炎症症状を抑えることや膝関節の正常な関節可動域の獲得と膝関節へのストレス軽減のため筋力の強化を行っていきます。また身体機能の改善に伴い,再損傷予防のための姿勢の修正や動作指導を行っていきます。
手術療法を選択した場合,スポーツ復帰は,部分切除術で3~4ヶ月,縫合術では5~6ヶ月を要します。術後リハビリテーションのポイントは,痛みや腫れを管理しながら半月板や膝関節にかかるストレスを軽減させるため関節可動域の向上・筋力強化・スポーツ時の姿勢や動作の修正を行っていきます。
スポーツ復帰については,定期的な主治医の診察によって前後しますが,切除術では術後3~4ヶ月,縫合術では術後5~6ヶ月を目安に開始していきます。
初期には,保存療法を行うことが多く,運動療法や物理療法で進行を抑え症状の緩和を図っていきます。運動療法では,膝関節を安定させるため筋力トレーニング、バランストレーニングを実施し,膝の曲げ伸ばしを行って血流をよくし発痛物質や疲労物質の排出を促します。
必要に応じて足底板を使用し膝の角度を調節することで膝の痛みを減らしていきます。しかし,変形が進行すると保存療法では不十分となるため手術治療が必要となってきます。
~高位脛骨骨切り術~
術後翌日よりリハビリを開始します。可及的早期より炎症症状に応じて関節可動域練習や簡単な股関節周囲筋トレーニングを開始していきます。術後の荷重については,半月板の処置に留意しますが,術後1週より部分荷重をかけていき,3週目より全荷重となります。荷重開始時期に合わせて歩行練習や日常生活動作練習を実施していきます。
運動療法は,膝関節を支える筋肉を鍛えて,制限された膝の可動域を広げることが目的ですが,それ以外にも,運動することで体重を落として,膝関節への負担を減らし,膝痛・関節痛を軽減させることも目的になっています。歩く際の姿勢や日常生活の中で膝に負担のかかる動作を確認し修正していきます。
レントゲン所見を確認し骨癒合が良好であり,筋力が十分に改善すれば4ヶ月以降よりジョギング動作や自転車が許可され,6ヶ月前後でのスポーツへの復帰も可能となります。スポーツ動作の許可があれば膝への負荷減らすため姿勢の修正や動作の確認を実施していきます。
~全人工膝関節置換術~
術後早期より可及的に荷重をかけていき,歩行練習や日常生活動作練習を行っていきます。廃用症候群による筋力低下を防ぐため術後翌日よりベッドサイドリハビリを開始し,2日目以降よりリハビリ室でのリハビリを開始していきます。
体調や症状に合わせて可及的に歩行練習を行っていき,退院に向けた日常生活動作の練習を行っていきます。退院後は生活環境,様式に合わせてリハビリを進めていき,疼痛なく安全に生活できるように外来リハビリにて対応していきます。
などの疾患に対してもリハビリテーションを行っています。
当院では,首や腰の牽引療法,温熱(ホットパック・マイクロウェーブ),寒冷療法(アイシング),電気治療〈SSP療法(低周波)〉により痛み等の症状の緩和・改善を図っていきます.疾患や症状に応じて使用していきます。
当院で使用している物理療法機器をいくつか紹介させていただきます。
超音波とは「20KHz以上で,定常音として耳に感じない音」と定義され,医療現場でも超音波エネルギーを広く応用されています。
超音波治療では2つの効果(温熱効果と音圧効果)があります。
高電圧パルス療法とは電気抵抗を最小限にして深部まで刺激を加えることができます。高い電圧を負荷するが,極小のパルス幅を使用するため,刺激感は非常にやわらかくなります。平均電流量は通常の電気刺激より多いため,生体反応を短時間で引き起こすことができます。
高電圧パルス療法の効果としては,疼痛抑制効果・血流循環増大効果・浮腫の軽減作用があります。適応症例に対して行っていきます。
フロッシングは,まったく新しいコンディショニングのテクニックです。フロスバンドを体に巻き付けて圧迫し,その状態から皮膚・関節・筋肉を動かすことで,いわゆる「筋膜」の状態を改善し,動作時の違和感を緩和したり,関節可動域を増加させたりする手法です。
効能については,関節可動域の拡大や筋パフォーマンスの改善が期待できます。動作時の違和感を軽減し,より滑らかで質の高い動きを可能にします。
さらには,日常生活におけるハリやコリなどの違和感に対するケアとしても活用でき,ストレッチと組み合わせての使用や倦怠感の改善にも奨励されるものです。
介護部門では地域連携を充実させた地域医療を目指しています。
併設の訪問看護ステーションからの訪問リハビリと佐々木病院からの訪問リハビリを行っています。自宅または施設でも院内と同様に医師,看護師と連携し,質の高いリハビリテーションを提供できるよう努めています。
現在,現場活動として高校の部活動のスポーツトレーナーとして活動しています。
活動内容としては,合宿や大会に帯同し,選手のコンディショニングチェックやテーピングの実施,ストレッチ・トレーニング指導を行っています。
当院では整形外科の先生と臨床研究を行っています。研究結果は様々な学会で発表し,論文を各種学会に投稿する等,学術活動にも力を入れています。
当院では,院内勉強会を定期的に実施しており,院内でのリハビリテーションの知識・技術の向上を図っています。各関節の勉強会を実施したり,個人で参加した研修会・講習会の伝達講習を行ったりして,スタッフ間で情報を共有しています。
当院でのリハビリは担当制で行っています。基本的に担当PTが対応しますが,休みの際はほかのスタッフが対応します。
更衣室がございますので,動きやすい格好(半袖・ハーフパンツ等、患部を露出できるような格好)をご持参ください。
可能ですが,原則的には紹介状が必要です。まずは診察が必要となりますので,一度,『関節センター外来』,『整形外科外来』を受診ください。医師が身体の状態をみて必要があればリハビリの処方箋が出たのち,リハビリ開始となります。